04MAT
素材 / ARC–15 資源循環街区
月の資源で、次の街をつくる。
壊れた部品は、都市の鉱山になる。
月の砂をそのまま住居の壁にはできない。砕き、分け、溶かし、品質を確かめて、ガラス、金属、セラミックへ変える。そして壊れた部品も、次の建設に使える資源として街へ戻す。
月面都市の鉱山は地表だけにない。倉庫、解体現場、使い終えた機械の中にもある。
レゴリスは、建材になるまで長い。
地表から運ばれたレゴリスは、粒径と成分で分けられる。酸素を取り出し、残った鉱物をガラス、セラミック、金属へ加工する。採れた場所が違えば性質も違うため、印刷機へ入れる前に材料の癖を記録する。
岩盤と月産材は放射線や微小隕石を受け止める外側をつくるが、人が触れる気密壁は別に設ける。『月の土で家を印刷する』とは、一種類の材料で住居を丸ごと造ることではない。

レゴリスは、建材になるまで長い。
3Dプリンターは、都市を一度に印刷しない。
印刷するのは壁の部材、配管支持具、床材、交換可能な接続部品だ。巨大な一体構造より、小さく検査でき、壊れた部分だけ取り替えられる形を選ぶ。建造ロボットは印刷と同じ時間を、測定と記録に使う。
標準部品には余白を残す。将来の配線、新しい水管、まだ存在しない機器を追加できる空間だ。完成を急ぎすぎないことが、百年使える都市をつくる。

3Dプリンターは、都市を一度に印刷しない。
廃棄物には、素材の履歴書がついている。
壊れた機械を回収すると、材料パスポートから合金、樹脂、接着剤、使用履歴を読み取る。安全に分解できるものは部品へ戻し、難しいものは溶融や化学処理へ送る。正体のわからない混合物を増やさないことが循環の基本になる。
すべてを月で作ることが目標ではない。高性能な電子部品や医療材料は地球圏から運ぶ。その代わり、重く、かさばり、何度も必要になるものを月でつくり、輸送を本当に必要な品へ空けておく。

廃棄物には、素材の履歴書がついている。
都市代謝データ
- 月産素材
- ガラス・金属・セラミック
- 建造方式
- 交換できる標準部品
- 地球圏から輸送
- 電子・医療など高機能材