住居は、街路に面している。
住居棟は、学校、診療所、洗濯室、共同キッチン、静かな植物庭へ短い歩廊でつながる。住居の前には「通路」があり、廊下はただの避難経路ではなく近所に会うための街路だ。
01 / これは「基地」ではない。 重なり合う、都市圏だ。
マリウス丘の地下空洞、地表の工業地帯、軌道上の交通網。
三層の環境が、月の生活をひとつの都市にする。

地表から−900mまで。各機能層の間には、居住空間ではない監視・構造緩衝帯を置く。
CITY ATLAS / URBAN SCALE
マリウス・アークは、単一の巨大施設ではない。生活の単位を小さく保ちながら、公共交通・物流・非常時の経路を都市全体で共有する。
MARIUS ARC / DISTRICT REGISTRY
ARC–01〜18は月面下の複数深度に配置し、地表設備、主居住層、深層備蓄層を縦坑と環状交通で結ぶ。ARC–19は宇宙港と地下都市を接続する地表ゲートである。各機能層の間には岩盤を残した構造緩衝帯を設け、監視坑、配管、昇降路、緊急通路だけを通す。これは空白ではなく、搬送、岩盤の安定、圧力区画の安全隔離を担う移行層である。主居住層は地下520〜700mに位置する。
都市評議会、公共窓口、中央図書館、広域避難所をまとめた市民活動の中心。

居住の核 / 食と水の街区 / 港と都市の接点
400〜800人が暮らす近隣単位。住居、学校、診療所、共同キッチン、植物庭を徒歩圏にまとめる。
水処理、温室、保存庫、日常の店舗を組み合わせる。生活に必要なものを、遠い設備ではなく近所の景色にする。
旅客、貨物、検査、保守を分けて受け止める玄関口。宇宙港の速さを、静かな居住区へ直接持ち込まない。
都市の動線
学校、食料、医療、修理、遊び場までを日常の歩行で結ぶ。移動は都市を知る時間でもある。
食料、資材、廃棄物は住民の街路と分離した保守幹線で移動する。生活の静けさと作業の確実さを両立する。
各街区は独立して隔離でき、二方向の避難経路を持つ。非常時の移動も、ふだんから使う分かりやすい道に重ねる。

15分の生活圏 / 物流は裏側を走る / 非常時も迷わない