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03 / 岩盤は、外側。 人が住む場所には、壁と天井がある。

岩盤は、外側。 人が住む場所には、壁と天井がある。

03 / 居住建築

岩盤は、外側。
人が住む場所には、壁と天井がある。

洞窟は天然の遮蔽体であり、室内ではない。都市の内部は、保守しやすい複合パネル、丸みを帯びたトンネル天井、気密隔壁、設備帯で構成する。自然の地形は、遠くに感じる「外皮」として残る。

気密シェルアーチ天井気密隔壁設備幹線
電力空気
01 / 岩盤遮蔽
02 / 気密シェル
03 / 保守設備幹線
月の溶岩洞内で岩盤から分離された独立圧力殻の断面
03 / VISUAL FIELD NOTE

岩盤は遮蔽、圧力殻は建築。両者を点検・変位吸収のための保守空間で分離する。

HABITABLE ARCHITECTURE / FIELD GUIDE

洞窟の中に、もうひとつの都市を建てる。

マリウス・アークの建築は、月の岩盤、独立した圧力シェル、人が触れる内装という三重構造でできている。守るための外側と、暮らすための内側を分けることが、10万人の都市を長く維持する条件になる。
01

GEOLOGICAL ENVELOPE

岩盤は、都市の屋根ではなく防護服。

溶岩洞は放射線、微小隕石、急激な温度変化を受け止める地質的な外皮として使う。人がいる場所で岩肌を天井や壁にはしない。岩盤と建物の間には点検空間を残し、変形、粉じん、浸水、ガス、温度を常時監視する。

地質を隠すのではなく、生活空間から切り離して扱う。観察窓の向こうに岩盤が見える場所はあっても、その窓は圧力境界の内側にあり、都市の空気を洞窟へ直接触れさせない。

  • 岩盤と居住空間を構造的に分離
  • 点検通路から外皮を連続監視
  • 露出岩盤は密閉された観察区だけ
02

PRESSURE SHELL

街路も学校も、独立した建物の内側にある。

都市の本体は、岩盤の内側に自立して組み立てる気密シェルである。主要街路は幅16〜24メートルのアーチ状空間とし、構造リブ、照明、換気、案内帯を一定のリズムで配置する。長い通路でも距離感と現在地を失わないためだ。

街区の境界には気密隔壁を置き、事故が起きた区画だけを閉鎖できるようにする。学校、診療所、店舗、庭園は街路から短い枝路で結ばれ、日常の移動と非常時の避難が同じ分かりやすい経路を使う。

  • 自立した交換可能な圧力シェル
  • 街区単位で閉鎖できる気密隔壁
  • 日常動線と避難動線を重ねる
街路も学校も、独立した建物の内側にある。
VISUAL FIELD NOTE

街路も学校も、独立した建物の内側にある。

03

ORDINARY HOME

月の家にも、生活の散らかりと静けさがある。

住戸は宇宙船の客室ではない。寝室、台所、収納、洗濯、在宅作業の場所を持ち、家族構成に合わせて間仕切りを交換できる。廊下の先には共同キッチン、保育室、診療所、小さな植物庭があり、一人で抱え込まない暮らしを支える。

外窓がない代わりに、天井照明が一日の色温度を変え、地球や月面の映像は意図的なメディアとして表示する。偽物の空を常時見せるのではなく、暗さを選べる寝室と、人が集まる明るい共有空間をつくる。

  • 家族構成に合わせて変えられる住戸
  • 共同設備を住戸の近くに配置
  • 照明で昼夜をつくり暗さも選べる
04

MAINTENANCE + SAFETY

修理中でも、家を工事現場にしない。

水、空気、電力、通信は居住区の背面にある設備幹線を通る。技術者は保守通路から弁、配線、フィルターへアクセスし、住戸へ入らずに多くの作業を終えられる。部品は都市全体で規格化し、故障した区画を切り離して交換する。

火災、減圧、煙、設備停止は別々の事故として設計する。各街区は二方向の避難路、独立電源、短時間の空気備蓄を持ち、隣接街区が受け入れ先になる。安全は巨大な一つの壁ではなく、小さな境界の積み重ねで守る。

  • 生活動線と保守動線を分離
  • 規格部品を区画単位で交換
  • 二方向避難と街区間の相互支援
修理中でも、家を工事現場にしない。
VISUAL FIELD NOTE

修理中でも、家を工事現場にしない。